2017年3月8日水曜日

ドライマウスとお口の健康 その3 ~唾液のちからって?~  U3

皆様こんにちは。



六本木からも近い麻布十番で歯周内科を得意としている女性歯科医師のクリニックです。


今日は唾液のもつ作用とお口の健康について説明します。

私たちは一日どのくらい唾液を出しているのでしょう?

通常、健康な成人であれば一日当たり平均1~1.5リットルくらい、
すなわち大きなペットボトル1本分ほどの唾液を分泌しています。

それを自然に嚥下していますし、お食事の際に食事と一緒に飲み込んでいます。

唾液はただの液体ではなく、様々なパワーすなわち人の体に必要な作用を持っています。

①「自浄作用」
歯や歯間に付着した食べかすや歯垢を唾液が洗い流す作用です。
*唾液が少なくなると食べかすが歯にくっつきやすくなり、
 虫歯・歯周炎になるリスクが増加します。

②「抗菌作用」
唾液内の抗菌作用をもつ成分がお口の中の細菌の増殖を抑えます。
*唾液が少なくなるとお口の中の虫歯菌・歯周病菌が増えやすくなります。

③「pH緩衝作用」
食事によりお口の中は酸性に傾き、歯が溶けやすくなります。
唾液によりお口の中のpHを中和させ虫歯になりにくい環境にします。

④「再石灰化作用」
飲食により溶けかかった歯の表面を修復し虫歯を防ぎます。

⑤「消化作用」
唾液は胃液などと同様、食物を消化する消化液の一つです。
唾液に含まれるアミラーゼがデンプンを消化しやすくします。

⑥「粘膜保護・潤滑作用」
唾液内にある粘性に富んだムチンが粘膜を保護します。
*唾液が少なくなると、歯や入れ歯などの硬いもと舌や唇がこすれやすくなり
 キズや口内炎ができやすくなります。

⑦「溶解・凝集作用」
味を感じさせたり、唾液が食べ物に付着して
かみ砕く食塊形成しやすくし飲み込みやすい形にまとめます。
*唾液が少ないと、パサパサした食べ物がお口の中でまとまりにくく
 飲み込みにくくなります。

⑧「粘膜修復作用」
唾液に含まれる上皮成長因子と神経成長因子がキズの治りを促します。
*唾液が少ないと、お口の中のキズが治りにくくなる可能性があります。

唾液にはこのようにたくさんの良い作用があるので、
唾液の分泌が少なくなると口臭・お口の中のネバネバやヒリヒリなどの不快感が
起こりやすくなります。


ドライマウスとなる原因にはさまざまなものがあります。

加齢、薬の副作用、ストレス、鼻づまりによる口呼吸、寝たきり、喫煙、不規則な生活、
がん治療における放射線治療、シェーグレン症候群などの自己免疫疾患、透析などです。

放射線治療やシェーグレン症候群には唾液分泌を促進する薬が処方できますが
その他の原因ですと保湿ジェル・保湿スプレーなどの保湿剤使用や、
唾液腺の周りの筋機能療法、唾液腺マッサージなどの対症療法中心です。

特に唾液の分泌が少なくなる閉経後の女性や、
唾液が蒸発しやすい口呼吸の方は特に唾液のパワーが落ちやすくなります。


お口のネバネバや口臭が気になる、
歯周病の予防をしたい、
ご希望の方はお気軽にお問い合わせください!

http://www.azabu-msdental.com/



0 件のコメント:

コメントを投稿