2017年9月30日土曜日

妊娠と歯周炎の関係って? U-16

皆様こんにちは。

六本木からも近い麻布十番で歯周内科を得意としている女性歯科医師のクリニックです。


クリニックのある麻布十番商店街は様々なイベントがあります。

9月16.17日は秋まつりが行われ、台風が近づきやや雨模様ではありましたが
御神輿を担ぐ元気な声が聞こえてきました。

ところで、妊娠性歯肉炎・歯周炎ということばを聞いたことはありますか?

妊娠中は、女性ホルモンが大きく変化することから起こる妊婦さん特有の歯肉炎、歯周炎のことです。

妊娠すると歯周病になりやすい理由は主に下記の三つがあります。

1.ホルモンバランスの変化

妊娠中は女性ホルモン(エストロゲン、プロゲステロン)が多く分泌されます。

これらのホルモンはある歯周病菌の増殖をすすめる作用があり、歯周病のリスクが増悪することが知られています。

2.つわりの影響

デリケートな妊娠中は、食事だけでなく歯ブラシすら口の中に入れると気分が悪くなることもあります。十分なブラッシングができずお口の汚れがお掃除しにくいことも。

そして、「食べつわり」や、酸味のあるものや甘いものなどしか受け付けないなど、食生活の変化もお口の中が汚れたままになりがちで歯周病のリスクが高まります。

3.免疫力低下

おなかの中の赤ちゃんを「異物」と判断しないよう、妊娠すると免疫力が低下するメカニズムがあります。免疫力が低下することで歯周病にかかりやすくなります。


では、妊娠性歯肉炎・歯周炎になるとどんなリスクがあるのでしょうか。
・早産
・低出生体重児
のリスクが高まることが知られています。

この理由には、歯周病によって生じるサイトカインが関与しています。

この、炎症性物質であるサイトカインが血管の中に広がることで、プロスタグランジンE2という物質が分泌され、ひどいときは子宮の収縮や陣痛が促されてしまうことがあります。

歯周病の妊婦さんはそうでない妊婦さんにくらべ約7倍の低出生体重児のリスクが高いと報告された論文もあります。

妊娠中は、
・小さめの歯ブラシを使う
・においの強い歯磨剤やうがい薬は避ける
・つわりがひどいときはうがいだけでもこまめに行う、

など心がけできることからのアプローチが必要です。

ホルモンバランスの変化だけでなく、「つわり」があることからお口の中の環境が悪くなりがちな妊娠中。

生まれてくる赤ちゃんのためにも妊娠中・妊娠前からのお手入れを心がけましょう。

当院では、「歯周内科」という専門的な歯周病治療を行っています。
特に、パートナーとご一緒の治療をおススメしています。

6月に続いて結婚式の多い過ごしやすいシーズン。

結婚式に向けてのクリーニング・ホワイトニングはもちろん、
これから妊娠・出産を予定なさっている方にも先を見据えたお口のケアがおススメです。

正しいお口のセルフケアと、歯科医院での専門的お口のケアで健康なお口と
よりよいお身体の状態を保っていきましょう!



素敵な笑顔は健康な口元から。

輝く白い歯を手に入れたい方、
歯と口元を美しく健康にするM’sデンタルクリニックへ
お気軽にお問い合わせください!



http://www.azabu-msdental.com/


2017年9月21日木曜日

歯の治療が怖い その3

皆様こんにちは。

六本木からも近い麻布十番で歯周内科を得意としている女性歯科医師のクリニックです。

多くの人は’歯の治療が怖い!’と感じている方がいらっしゃるのではないでしょうか?

歯の治療が怖いと感じたときには、どのような生理的変化が起きているか想像したことがありますか?

大脳は精神の座の中心です。

そのうち頭の前側にある前頭葉はヒトが人たる由縁である思考、判断に基づいた社会行動、創造性、意思の源です。

つまり歯科治療を受けることの必要性を理解し、その際にストレスを感じても意思の力で治療を完了させるために自分の感情や行動をコントロールしようとします。

一方本能的な行動と快・不快、喜怒哀楽といった情動といった心の動きは大脳辺縁系が関与しています。

大脳辺縁系のうち海馬は記憶に関与し、扁桃体は情動、特に恐怖情動に強く関わっています。

恐怖は自己防衛のために最も大切な情動です。

しかしながら歯科治療に対して恐怖反応の条件付けがなされると、海馬にそのことが自己防衛の対象として強く記憶されることになるのです。

扁桃体は五感を通して危険をいち早くキャッチして自己防衛に備えます。 


歯科治療に対して恐怖反応の条件付けがなされていると、次の歯科治療に対して実際の治療の前から恐怖反応が生じることにもなります。

前頭葉による理性的な判断よりも、感情をつかさどる大脳辺縁系(特に扁桃体)の反応が強く出てしまうわけです。 

幼少期に形成された恐怖反応ほど強く記憶されるといわれています。

扁桃体を中心に自己防衛反応が作動すると活動性に神経系である交感神経が優位になり、臓器に作用し種々の症状(心拍増加、血圧上昇、骨格筋血流の増大、消化器運動及び血流の減少、瞳孔散大、呼吸促進、発汗、血糖上昇など)を呈します。

これは生命を脅かす危機に備えるための反応なのです。

つまり歯科治療時に、ドキドキ、ハアハアして体がこわばり、手のひらにじっとりと汗をかき、といった状態になるわけです。

大昔、獣に襲われたときに、きっとこのような反応をしたのでしょうね、
加えて内分泌系の反応としては、自己防衛活動(逃げる、戦う)に必要な、糖の分泌を促します。

これらの一連の反応にはアドレナリンなどのストレスホルモンが深くかかわっています。

これらのストレスホルモンは海馬に作用して、恐怖反応の記憶を増強させる作用もあるのです。

このような恐怖反応から解放されて、快適にストレスフリーで治療を受けるためにはどうすればいいのでしょうか?

専門的なトレーニングを受けた歯科麻酔科医が実施する、静脈内鎮静法を用いて診療を受けると、ウトウト眠ったような状態の間に、歯科治療を終えることが出来ます。

静脈内鎮静法は、元々、心臓や全身状態に問題がある患者さんたちを安全に治療するために開発され発展してきました。 

高度な知識と技術を習得した歯科専門の麻酔科医が実施するので安全、安心です。 

怖くて大嫌いな歯科治療をストレスフリーなものにするために、こんな方法を利用して、安全、安心、快適に診療を受けてみるのも一つの方法です。

当クリニックでも、このような方法で治療を受けて頂けますのでご安心を!

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2017年9月19日火曜日

食事がおいしく感じられない? U-15

皆様こんにちは。
六本木からも近い麻布十番で歯周内科を得意としている女性歯科医師のクリニックです。



当クリニックのある麻布十番には「麻布十番納涼祭り」という年に一度のお祭りがあり, 今年もたくさんの方で賑わいました.

美味しいお料理や飲み物をいただきながら音楽を楽しむことができる大好きなお祭りです.

大好きな食事, お料理の味が最近感じられない, なんだか食欲がわかない…もしかしたら貧血の症状かもしれません. 

疲れやすい, 舌がヒリヒリする, 舌が赤くてピカピカしているなどないでしょうか.

「味覚とアンチエイジング」の記事にも書きましたが, 栄養状態と味覚には関連があります.


味覚の異常には主に二つあります.

1. 味覚低下:味がわかりにくくなること
2.  異味覚:異常な味がすること. 「いつも渋い」「いつもしょっぱい」などです


味覚異常の原因には貧血による舌乳頭の萎縮によるもの, ドライマウスに関連したもの, 口腔カンジダ(カビの一種)によるもの, 亜鉛不足など様々あります.


最近, 過度なダイエットや偏った食事内容などで若い女性にも貧血による味覚障害の方がみられるようになってきました.

味覚障害について原因を調べ, 適切な対処が必要です.
時には, 胃・食道や大腸など消化管における出血性の疾患や、子宮筋腫の影響など全身疾患が隠れていることもあります.

まずはバランスの良い食事と規則正しい生活、
食事の後はお口のお手入れの励行を心がけましょう。



正しいお口のセルフケアと、歯科医院での専門的お口のケアで健康なお口と
よりよいお身体の状態を保っていきましょう!



素敵な笑顔は健康な口元から。

輝く白い歯を手に入れたい方、
歯と口元を美しく健康にするM’sデンタルクリニックへ
お気軽にお問い合わせください!



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2017年9月16日土曜日

咀嚼・嚥下の仕組みと全身への役割 その2 ~ 歯根膜、噛むこと、飲み込むこと~



皆様こんにちは。

六本木からも近い麻布十番で歯周内科を得意としている女性歯科医師のクリニックです。

前半では’噛む’ことの重要さをお話いたいましたが、後半も引き続き噛む事の大切さをお伝えいたします。

口の中には多くの感覚センサーがあります。

味を感じる「味覚センサー」、圧力や触覚を感じる「機械センサー」、温度を感じる「温度センサー」、痛みを感じる「侵害センサー」などです。

こういったセンサーは、唇や舌、粘膜、口蓋などにも存在しています。

「嚙みなさい」という指令が脳から発せられると、噛む動作が始まります。

すると、噛むことで生じた様々な刺激を、それぞれの感覚センサーがキャッチして、脳へ非常に多くの情報が伝えられます。

いま噛んでいるものが、どのような硬さなのか、熱いか冷たいか、安全なものなのかどうかなどの報告がすぐに脳へ届くのです。

口の内側の粘膜や歯根膜にあるセンサーは、「食べ物が口に入って噛み出しましたよ」という情報を脳に与えて、それにより脳は唾液分泌の指令を出すのです。


噛むことで食べ物がある程度小さく砕かれ唾液と十分混ざると、次に飲み込むという動作へ繋がっていきます。

飲み込む動作は反射による行為ですが、、飲み込んでいいかどうかは脳が判断しています。

このように咀嚼・嚥下運動は口から脳、そして脳から口への双方向の情報伝達があって初めて上手くいくのです。

噛むことで脳には判断を迫られる様々な刺激が伝わり、それが脳の働き(例えば運動の制御、記憶、感覚、感情)を活性化させます。

咀嚼・嚥下運動は日ごろから脳の絶え間ない”訓練”、”リハビリテーション”のような役割も担っているのかもしれませんね。

ガムを噛む事も、脳を活性化させる一つの方法かもしれません。


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2017年9月9日土曜日

唾液が消化を助けることの意味

皆様こんにちは。

六本木からも近い麻布十番で歯周内科を得意としている女性歯科医師のクリニックです。

唾液の大きな役割である「消化作用」を調べると、人間の体は実によくできているものだと感心させられます。

食事が始まり、食べ物を口の中へ入れ噛み砕くことによって、大脳辺縁系に刺激が伝わり唾液分泌が促進されて口の中に唾液があふれだします。

あふれだした唾液の中には「アミラーゼ」という消化酵素が含まれていて、このアミラーゼがでんぷんを消化すると、胃の消化酵素であるペプシンが働きだすというメカニズムが始動するのです。

食事の時に良く噛んで食べると、食べ物の消化、吸収器官である胃や腸などの準備態勢が整い、からだにとって必要なものを選択的に吸収し、不必要なものは取り込まないというメカニズムも働くといわれています。

例えば、糖尿病の患者さんがよく噛んで食べると、空腹時血糖値が低下し、さらに糖尿病の指標であるヘモグロビンA1cの値も低くなることが報告されています。


‘噛む’という行為は体の健康を保つためにもとても大切なのです。
’最近よく噛めないな。。。’と感じている方、どうぞお気軽に当院へお問い合わせください。

当院では、皆さまの歯の健康を保つお手伝いをさせて頂いております。



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