2017年11月25日土曜日

唾液の酸化還元電位とは!?

皆様こんにちは。

六本木からも近い麻布十番で歯周内科を得意としている女性歯科医師のクリニックです。

人間は酸素を利用して、体内のエネルギー代謝システム駆動させて生きています。

古くなったクギの表面が赤茶色に錆びたり、向いたリンゴの表面が変色するのはよくご存じでしょう。

これらはすべて「酸化」現象です。

皮膚にシミやソバカス、しわができるのも「酸化」作用によるところが大きいです。

ところが、その逆もあります。これを「還元」作用といいます。この状態になると、酸化が止まるので、ものが腐ったり老化したりするのを遅らせることが出来ます。

このように自然界では常に酸化還元反応がおこなわれているわけですが、私たちの体内でも常に休むことなくこの酸化還元反応がおこなわれているのです。

今は一般的に知られるようになってきた活性酸素が体内で増えると、その強力な酸化作用で細胞が損傷し、病気や老化の大きな原因になります。

実は、人の「酸化還元状態」は、唾液の「酸化還元電位」を調べることでわかるようになってきました。

「酸化還元電位」が低いということは、、電子を放出しやすい状態で、還元力が強い状態です。

逆に「酸化還元電位」が高いと電子を取り込みやすく、酸化力が強い状態です。

測定値で+50V以下であれは酸化力は弱く、マイナスになればなるほど還元力が高くなり健康度が高まった状態といえるのです。

横浜の小児科の岡澤先生が、長い間多くの子供を中心にの酸化還元電位を日常臨床で測定されていらっしゃいます。

乳幼児から80代までの3500人を超える検査結果をまとめていらっしゃいます。

それによると、健康な子供たちの唾液の酸化還元電位はマイナスレベルが多く、高くても+20Vくらいだそうです。

子たちで+50Vにもなっているとかなり具合の悪い状態だとおっしゃっていました。

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2017年11月16日木曜日

唾液のチカラ その3 唾液に含まれている成長因子

皆様こんにちは。

六本木からも近い麻布十番で歯周内科を得意としている女性歯科医師のクリニックです。

前回に続き、今回も唾液のお話です。
今回は、唾液に含まれている成分のお話です。

成長因子とは、細胞の増殖や成熟をうながすたんぱく質のことです。

現在唾液の中から2つの成長因子が見つかっています。

ひとつは粘膜や血管などの細胞の増殖を促すEGF(表皮成長因子)で、皮膚や粘膜が傷ついたときに、それを修復するように働きます。

動物が傷口をなめるのは、消毒のほかに傷を早く治すためでもあるのでしょう。

もうひとつはNGF(神経成長因子)と呼ばれる神経細胞の成熟をうながす物質です。

マウスの唾液腺を摘出して成長を観察すると、歯が生えてこなくなったり、毛のツヤがなくなったりまぶたが開かないなどの成長不順や神経系の障害が現れました。

そこで、唾液には成長に関係する特別な成分が含まれているのではないかと考え、ついに唾液の中にEGFNGFが存在していることを突き止めたのです。

この業績でアメリカの生化学者スタンリー・コーエンは1986年にノーベル生理学・医学賞を受賞しています。

NGF最初脳の大脳皮質から見つかりましたが、その作用から大脳の働きの活性化に作用するといわれています。

つまり学習能力や集中力を高めることに関与していると考えられているのです。

さらに身体を動かすスポーツや日常活動で、集中力を養っている可能性が高いとも考えられてもいます。


例えばガムを噛んで唾液をたっぷりと分泌させるとNGFの効果で集中力が高まる可能性が大いにあるのです。

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2017年11月13日月曜日

唾液のチカラ その2 噛むこと、唾液、そしてむし歯

皆様こんにちは。

六本木からも近い麻布十番で歯周内科を得意としている女性歯科医師のクリニックです。

昔から唾液の多い子は元気だと言われています。

唾液の中には、カルシウムやリンといった、歯を作っていくイオンも含まれています。

たくさん分泌される唾液は、細菌が糖から作った酸を薄めて、歯の表面が酸で溶けるのを防ぎ、融けかかった歯の表面が元の状態に戻るのを助けています。

アナタの口の中では、食べたり飲んだりすることで、歯の表面が溶けたと思えば、唾液がそれをすぐに修復するというという、ダイナミックなドラマが絶えず繰り返されているのです。

生えたての歯の表面は素のエナメル質の結晶がしっかりと成熟していません。

ですからとてもむし歯になりやすいのです。

その後、時間とともに唾液などの働きによって丈夫な歯になっていきます。

良く噛むことは唾液の分泌を促すので、むし歯予防につながっていくのです。

「指しゃぶり」をする子供は、むし歯が少ないという報告があります。

「ゆびしゃぶり」という癖は、それが刺激となって唾液の分泌をうながしますからそれによってむし歯の予防がなされていると考えらます。

昔は、指しゃぶりは歯並びが悪くなる原因になる、あるいは汚いという理由で早々に辞めさせるような指導でしたが、五歳までにやめれば、歯並びが悪くなることもないという指導に変わってきています。

欧米では乳幼児が“おしゃぶり”を吸っているのをよく見かけます。

乳幼児のむし歯が日本に比べて少ないのは、このためかもしれません。

日本には古来から「歯固め」という習慣がありました。

「乳児の玩具を噛んだりしゃぶったりして、歯ぐきを固める」と、辞書にはあります。

あごの発達と唾液の分泌をうながして、生えてくる乳歯を手助けしていたと考えられます。

最近は、指しゃぶり同様に、この「歯固め」という習慣もすたれてしまっているようです。

しっかり噛むことはあごの正常な発達をうながすとともに、虫歯を予防することにもなるのです。


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